ノースリッジ地震により被害を受けた16階建RC造集合住宅の改修 2009年9月12日

日本建築学会  2000年9月 東北

著者:関嘉男(関建築研究所) 寺岡勝(フジタ) 藤原薫

 「ノースリッジ地震災害調査報告」(日本建築学会 1994年)に被害状況および直後の改修計画については既に報告済みである。ここでは、実際に行った改修工事について報告する。以下は要約。

設計審査

  改修に関する実施設計はカルフォルニア州の構造事務所に依頼した。市の審査は他構造事務所に依頼され、UBCとの整合性を中心に検討され、質疑と修正の要求があった。その意見に対しの、反論等は市に検討結果と共に付帯され最終判断は市の担当者により調整・解決された。

補修対策工事

 1)損傷柱は破損の激しい柱のRC打ち替えとエポキシ樹脂注入による補修を行った。
 2)5階の破損柱を撤去してジャッキを挿入し、ほぼ計算通りの272tで27mm持ち上げた後、支保工の盛り替えを行った。
 3)5階当該柱を従前の断面寸法にRC打ち替えによる修復を行い、関連するひび割れ補修を実施した。
 4)当該柱の強度発現後、支保工を上階より順次撤去し各階の床荷重を支持して、その結果柱に軸力が再導入された。
  以後に補強ブレースを撤去した。

骨組の改修工事

 既存RC柱への梁主筋の貫通・定着には、①ドリルで孔を明け梁主筋を挿入させ、②両端をパテで閉塞しチューブを通してモルタルを圧入し定着する。③事前に透明管を使ってモルタルの充填性の確認を行った。また、既存スラブ下に打設するコンクリートの沈降により生じると想定される柱上部の空隙の防止策として、コンクリートの調合の検討を行うほかにコンクリート打設方法を、①梁下までの打設と沈降の促進、②梁外部の打設を行い、既存梁・スラブ下へのコンクリート充填を確認、③スラブ上および梁上部の打設、の順序を採用して空隙の防止を行うなどの諸検討・対策を実施した。

 用途変更などの提案期間もあったが、本構造体改修は1997年11月、約1年間の工期をもって無事完了した。

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